STAFF INTERVIEWスタッフインタビュー

ADとはどんな仕事?

僕、イケますよ!

いいね。じゃあ太田どうぞ。

基本的にはディレクターの下についてサポートします。ディレクターから「こういう風に撮りたい」っていう具体的な指示をもらうことが多いんですけど、その意を汲み取って、いかにディレクターの理想の世界観に近付けるかっていう。そのために仕込み(=撮影に必要な物や場所を準備すること)や情報を徹底的に準備してアシストする仕事です。

具体的には?

ドッキリって“いかに演者さん(=出演者)をダマすか”じゃないですか。だから「カメラはここだったら絶対演者さんにバレないだろう」とか。カメラを隠すのによく使うのが観葉植物なんですけど、「観葉植物の位置や個数が不自然にならないように」とか。ちょっとでも演者さんに「あれ?おかしいな」と思われない空間作りをするためにディレクターと念入りに打ち合わせをして仕込みました。

太田も湯浅も前はTBSに常駐してたよね。やっぱり湯浅は太田先輩の頑張ってる姿を見て「ディレクターの理想に近付けようと頑張ってるなー」っていうの伝わってきた?

伝わってきましたね。

本当に?数日前、太田は「テレビ観てこういう仕込み場所あるんだラッキー♪って思って仕込み場所をストックしてます。」って言ってたよ。ディレクターの世界観とかじゃなくて、「仕込みやすさ重視です!ここしか仕込めなかったんですよー。って言ってディレクターに出してます。」って言ってたけど。

ちょっと、横田さん!それ言っちゃダメなやつ(笑)

いや、それを聞いて逆に僕は凄いなと思いました。そういう“何でも取り入れていく”ところ、さすがですね。

いいねいいねー、いい感じに言ってくれるね。

じゃあ、田村。

僕はよく有名なプロデューサーの本を読むんですけど、そこに書いてあったことで1番心に刺さったのが“ADは100点を出せるけどディレクターは100点が出せない”っていう事。“ディレクターの言ってることさえしっかり守ってそれに近付けていけば必ず100点は取れる”って。

なるほど。

でも“ディレクターは終わりがない”らしいです。“どんどんこだわりを出していくうちに100点が取れなくなっていく”って書いてあって。

僕もその本持ってます!発売した初日に買って1日で読んでしまいました。夢中になりすぎて。次の日有田さん(=部長)に貸して、半年返ってきてないです(笑)

一同 (笑)

まだ持ってるのかな?新品で返ってくるんじゃない?(笑)

家にはあるらしいです。

自分の中で100点取ったなって思ったこと、何回ぐらいある?

まだないですね。

僕もないです。でもAD は100点が取れるので、自分ももっと頑張らなきゃな、と思ってます。

長水は?

“縁の下の力持ち”だなと思います。ディレクターのアシストをするっていうのもそうですし…。ADって接する人が沢山いるんです。AP(=アシスタントプロデューサー)さんとかプロデューサーさんとか技術さん、美術さんなど同業者の方はもちろん、企画でお世話になる企業の方々など。ADはそのピラミッドの1番下で支えてるんです。

そうだね。

その全てが円滑に回り、番組がうまくいくようにまんべんなく、そしてソツなく接するのがADだと思います。自分がそこでどういう対応をするかで番組がどれほど円滑に進むかっていうのが決まります。小さい会議1つにしても段取りよく準備して、空気を読むということがとても大切です。

ADの質で番組の質も変わってくるもんね。

そうなんです。

伊波(=AD)が番組のネタで「“つぶつぶの入ったコーンスープの缶”が欲しい」ってなって。冬じゃなくて真夏にだよ。どうしても明日の昼からのロケに使いたいからって、当日の朝まで粘って探して、ようやく千葉の個人商店で見付けたの。そもそも時期的に製造してないからストックになってるやつを探すしかなくて。

そうそう!そういう事、ありましたねー。

別にそれがなくてもロケのテーマ的には全然成立してるから、なくても番組は進められるんだけど。粘って見付けて朝イチで買いに行って、結果そのコーンスープを使ったネタがその日のロケで1番ハネた(=ウケた)って。

良い話。

そういう粘ってくれるADのいる番組だから、長く続くし面白いんだなって。

あのとき凄かったですもんね。コンビニからスーパーから何百件も電話してて。横田さんも隣で「お、ここありそうじゃん。」って一緒に探してましたもんね。

いい先輩っすね、横田さん。

まずいな、太田にご飯奢んなきゃいけなくなった(笑)

一同 (笑)

あれは単純に凄いと思ったね。俺なら諦めるもん。

俺も諦めます。

そうだよね。メーカーに聞いて「作ってない」って言われたらその時点で諦めちゃう。

うんうん。

だから、いつもは伊波のことを虐げてる(笑)川上さん(=ディレクター)が、「伊波はロケ準備があるだろうから俺が買いに行ってくるよ」って、朝イチで千葉まで買いに行ってた。

へえー!!!

”真剣さ”は人を動かしますね。

湯浅は?

僕は、ADはディレクターになるまでの下積みだと思っています。色んなディレクターの色んないいところを盗んで、誰よりもいいディレクターになるための成長期間です。ADのうちが1番、ディレクターのすぐ傍で仕事を見ることが出来るので。

そういえば山下留奈(=AD)が「他のディレククターやADの先輩は“自分の仕事が終わるまで傍で待っとけ”とか言う人も多い中、湯浅さんは“家でできる仕事なら家でしな”とかすぐ家に帰してくれる。時間の使い方もうまいし要領がいい。」って言ってたよ。

まじですか。そんなつもりはなかったけど。

間接的に褒められるのヤバいよね。どうしよう、湯浅くん、山下さんのこと狙っちゃうんじゃない?

なんでいい話してるのにすぐ下品な方に持って行くの?(笑)

いやぁちょっと…チョケちゃって。…すみません(笑)

プライベートな時間はちゃんとあった方がいいとは思います。

そうだよね。仕事以外の場でインプットしないと、アウトプットできないからね。疲れた脳では面白いアイディアも浮かんでこないし。